水質管理目標設定項目 26項目
将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期するため、水道水質管理上留意すべき項目として設定されています。農薬等、人の健康に影響を及ぼす恐れがある項目と、カルシウム、マグネシウム(硬度)等、より質の高い水道水を供給するための項目が定められています。
No. 項目 目標値 項目の説明
1 アンチモン
及びその化合物
アンチモンの量に関して
0.02mg/L以下
天然水中にはほとんど存在せず、半導体材料などに使用され、汚染源は工場排水などがある。目標値は、毒性を考慮して定められている。
2 ウラン
及びその化合物
ウランの量に関して
0.002mg/L以下(暫定)
天然に存在する放射性元素で、花崗岩などに広く分布する。目標値は、毒性を考慮して定められている。
3 ニッケル
及びその化合物
ニッケルの量に関して
0.02mg/L以下
汚染源は、鉱山廃水や工場排水などがあるが、ニッケルメッキからの溶出もある。目標値は、毒性を考慮して定められている。
4 欠番  ―  ―
5 1,2-ジクロロエタン 0.004mg/L以下 揮発性有機化合物で、合成樹脂原料、有機溶剤、殺虫剤などに使用される。目標値は発ガン性を考慮して定められている。
6 欠番  ―  ―
7 欠番  ―  ―
8 トルエン 0.4mg/L以下 揮発性有機化合物で、塗料、染料、香料、接着剤などの原料に使用される。目標値は、毒性を考慮して定められている。
9 フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) 0.08mg/L以下  プラスチックの可塑剤として使用されている。目標値は、環境ホルモン(内分泌撹乱作用)の疑いを考慮して定められている。
10 亜塩素酸 0.6mg/L以下 二酸化塩素による消毒副生成物として生じる。目標値は、毒性を考慮して定められている。
11 欠番  ―  ―
12 二酸化塩素 0.6mg/L以下 水の消毒や紙パルプの漂白に使用される。目標値は、毒性を考慮して定められている。
13 ジクロロアセトニトリル 0.01mg/L以下(暫定) 水中の有機物と塩素が反応して生成される消毒副生成物である。目標値は毒性を考慮して定められている。
14 抱水クロラ−ル 0.02mg/L以下(暫定) 水中の有機物と塩素が反応して生成される消毒副生成物であるが、医薬品の原料にも使用される。目標値は毒性を考慮して定められている。
15 農薬類 (120種類:別表 検出値と目標値の
比の和として1以下
水道水で検出される可能性が高い農薬120種類についてそれぞれの目標値を設定し、総農薬方式という評価方法が採用された。目標値は、地域の状況を適切に考慮して設定した測定対象農薬について総農薬方式により検出指針値が1を超えないように定められている。
16 残留塩素

1r/L以下

塩素消毒後に残留する塩素であり、0.1mg/L以上確保することが義務付けられているが上限は決まっていない。目標値は、臭いの観点から定められている。
17 カルシウム、マグネシウム等
(硬度)
10r/L以上
100r/L以下
水質基準値は石鹸の泡立ちへの影響を考慮して定められているが、目標値はおいしい水の観点から定められている。
18 マンガン及びその化合物 マンガンの量に関して
0.01mg/L以下
水質基準値は、着色を防止する観点から定められているが、より質の高い水道水の供給を目標として定められている。
19 遊離炭酸 20mg/L以下  水道水中の炭酸のことで、目標値はおいしい水の観点から定められている。
20 1,1,1-トリクロロエタン 0.3mg/L以下 揮発性有機化合物で、ドライクリーニング剤、金属脱脂洗浄剤に使用される。目標値は臭味発生防止の観点から定められている。
21 メチル-t-ブチルエ−テル 0.02mg/L以下 ガソリンのオクタン価向上剤や溶剤に使用される。目標値は臭味発生防止の観点から定められている。
22 有機物等
(過マンガン酸カリウム消費量)
3mg/L以下 水中の有機物量の指標で、多い場合は渋みを感じる。目標値は、おいしい水の観点から定められている。
23 臭気強度(TON) 3以下  水が持つ臭いの強さを示す。目標値は、おいしい水の観点から定められている。
24 蒸発残留物 30r/L以上
200r/L以下
水質基準値は、味覚の観点から定められているが、目標値は、おいしい水の観点から定められている。
25 濁度 1度以下 水質基準値は、肉眼でほとんど濁りを感じないことを考慮して定められているが、より質の高い水道水の供給を目標として定められている。
26 pH値 7.5程度 水質基準が定められているが、目標値は給水管の腐食防止の観点から定められている。
27 腐食性
(ランゲリア指数)
-1程度以上とし、
極力0に近づける
水の金属腐食性を示すもので、水道施設の維持管理の観点から目標値が定められている。
28 従属栄養細菌 1mlの検水で形成される
集落数が2,000以下(暫定)
浄水処理過程や消毒過程での細菌の挙動を評価するのに適しており、
また、配水系における塩素の消失や滞留の状況を評価することにも適しています。
29 1,1-ジクロロエチレン
0.1mg/L以下 家庭用ラップ、食品包装用フィルムの原料などに使用されます。揮発性の有機化合物で地下水汚染物質の1つです。
30 アルミニウム及びその化合物 0.1mg/L以下 地球上に広く分布し、土壌中に豊富に含まれる金属元素です。自然水中の含有量は少量ですが、鉱山廃水、工場排水、温泉水などから混入します。浄水場では凝集剤として使われていますが、汚泥として浄水場外へ排出されます。

2015.6.25update