クリプトスポリジウムとは? | ||
特徴 | 胞子虫類のコクシジウム目に属する寄生性原虫で、環境中ではオーシストと 呼ばれる嚢包体の形(大きさは4〜6μm)で存在し、増殖はしませんが、 ヒト、ウシ、ネコ等多種類の動物に経口的に摂取されると、消化管の細胞に 寄生して増殖し、そこで形成されたオーシストが糞便とともに体外に排出され 感染源となります。 オーシストは熱や乾燥には弱いのですが、塩素に対して極めて強い耐性が あるため、水道水中に混入した場合、集団感染を引き起こす恐れがあります。 |
![]() |
感染経路 | 患者便からの糞口感染のほか、オーシストに汚染された水や食品の摂取による経口感染がみられます。 また、ウシ、イヌ、ネコ、ネズミなどにも感染がみられ、感染源となります。 |
|
症状 | 激しい下痢(主として水様性)、腹痛、嘔吐、微熱などの症状が7〜14日間程度持続します。 感染しても症状が出ない場合もありますが、感染者の糞便からは、数週間オーシストの排出が続きます。 |
|
潜伏期間 | 4〜10日間 | |
治療 | 有効な治療薬はまだなく、対症療法となります。健常者は多くの場合2週間ぐらいで自然治癒します。 しかし、免疫不全患者の感染では重症となり、死亡例も報告されていますので、注意が必要です。 |
|
対策 | 個人の場合 経口感染等の予防として、手洗いを行う。 また、生水を飲まない。(オーシストは熱に弱いので、煮沸した水を使用するように心がける) 膜ろ過方式の家庭用浄水器だと除去効果が望める。 水道事業体の場合 強い塩素耐性を持つため、消毒効果は望めないので、ろ過による物理的な除去を行う。 汚染のおそれがある場合には、浄水処理の徹底(例;膜ろ過法や急速ろ過法等により、水道水の濁度を 0.1度以下に維持する)、取水口の移設、あるいは汚水処理施設等の排水口の移設等の対策を図る。 詳しくは、こちらへ クリプトスポリジウム等原虫類総合対策について ![]() 水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針 ![]() 水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針改正の概要 ![]() 水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針等に関する質疑回答集 ![]() 第5回厚生科学審議会生活環境水道部会 審議会議事録 ![]() 水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針について(案)が掲載されています。 上記暫定対策指針は廃止されます。 クリプトスポリジウム等対策について ![]() ![]() |
2014.12.17update